第2回 【シネマ演出の秘密】硬い光と霧(スモーク)の化学反応
映画のセットをスタジオに持ち込む
フォトスタジオYASUで撮られた写真が、自然でありながら「映画のワンシーン」のような写真に仕上がる のは、私がシネマチックの演出に徹底的にこだわるからです。
私は、舞台やステージ、映画と同じように、スタジオ内のブースに霧(スモーク)を発生させて、光の軌道が見えるようにします。
このスモークの目的は、単なる演出以上の二つの重要な役割があります。
1. 光の軌道の可視化: 光の筋を可視化することで、写真にドラマチックな印象を与え、物語性を深く演出します。
2. デュフューザー(拡散材)の役割: 意図的に硬く強い光を多用する私のライティングにおいて、スモークはデュフューザーの役割も果たします。ディフューズとは、ストロボの光を拡散させて、やわらかくすることです。スモークが光を拡散させることで、硬く強い光でありながら、霧のおかげで全体的にやわらかくなるという、相反する効果を制御して実現しています。
哲学を実現するスタジオ環境と硬い光の運用
私のライティングでは、顔以外のストロボを全てバルブ(デュフューズなしのストロボ発光管が剥き出しの状態)で使うことで、**強い光(硬い光)**を発生させます。硬い光は、彩度とコントラストが高くなり、明るくはっきりとした色合いの写真になるという特徴を持っています。
この哲学は、環境によって裏付けられています。YASUスタジオは、現役カメラマンが作ったスタジオ であり、広告デザイナーが監修・制作した、世界観のある15種類以上の撮影ブースが設置されています。また、当スタジオではスモークマシンが使用可能であり、和室でのスモーク使用OKという柔軟性も備えています。
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【本日のまとめと次のステップ】
• 本日の要点: 霧(スモーク)デュフューザーとしての役割も担い、私の「光の完全制御」哲学を物理的に支えています。
• 哲学との接続: お客様が提供する撮影サービスでは、広告デザイナーが光を操り、あなたの人生をシネマティックな光で描きます。この環境と演出が、最高の状態をつくるための具体的な土台となります。
• 次回の予告: 硬い光と柔らかい光は、どこに、どのような目的で使い分けるのか。次回は、この光の二重言語がモデルの心情と質感をどう描き分けるか に迫ります。
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