自然光を排除し、すべてを制御する
フォトグラファーのYASUです。私の作品世界は、徹底した**「光の制御」**によって成り立っています。
多くの方が「暗い部屋で撮影しているのに、なぜこんなに明るい朝のイメージになるのか?」と驚かれますが、その秘密は、自然光を一切使わないという哲学にあります。自分でコントロールできない光を排除し、朝、昼、夜、すべての時間帯の演出をストロボ光だけで設計し、創造しています。
これは、映画や舞台美術と同じく、**光を「描く」**ことで、写真の中に揺るぎない物語と情感を定着させるためです。
01
霧(スモーク)とバルブ光が創る「光の時空」
私のライティング技術の核心は、**「硬い光」と「柔らかな光」**の役割を明確に分けることにあります。
- 剛と柔の共存: 顔に当たる光は、ビューティーディッシュなどで極めて柔らかく設計し、感情を映し出します。一方、体全体に当たるストロボは、剥き出しのバルブ光(発光管)を使用します。
- 霧による昇華: この硬く強いバルブ光が、空間に充満させた霧(スモーク)と反応することで、光全体が柔らかな質感を帯びます。これにより、後加工では不可能な重厚なコントラストと、光の軌跡が目に見えるシネマティックな空間が生まれるのです。
- 逆光の多機能性: 私は特に逆光を多用します。逆光は、**人物の輪郭(エッジ)**を際立たせて立体感を出すだけでなく、霧との相乗効果で体全体に光が回り込み、腕や足を細く見せる劇的な補正効果をもたらします。
02
妥協なき機材選定:レンズが光のムードを決める
光の創造性を最大限に引き出すため、機材選定にも妥協はありません。私は、CANONの単焦点レンズを全域で最小絞りのレンズで揃えており、オールドレンズを含むその量は個人カメラマンとしては圧倒的です。
- RFレンズ(最新): 逆光耐性が強く、シャープでエッジの立った重厚な描写を狙います。
- EFレンズ(旧): 逆光を味方につけ、フレアやふわっとした幻想的なムードを演出します。
- オールドレンズ: 意図的な収差を利用し、作品に歴史感やアーティスティックな歪みを加え、非日常感を強調します。
この機材へのこだわりは、天候や環境に左右されず、モデルさんが求めるあらゆる表現を最高品質で実現するための、プロカメラマンとしての信頼の証です。
栃木から創り出す、あなただけの物語
栃木県宇都宮市を拠点とする私の撮影は、常にあなたの心に響く「物語」を探しています。あなたの「表現したい」という思いを、この制御された光の技術と妥協なきレンズ哲学で、唯一無二のアートフォトとして昇華させます。
ぜひ、この光の哲学が生んだ作品をご覧ください。